対向車や歩行者を検知すると、顔の部分だけハイビームが当たらない……?
という技術を、日本の日亜化学工業が開発し、初の実用化があのポルシェとのことで、すごいんだけど盛り上がりがイマイチなニュースが昨年ありました。
これ、体験しないと何とも感想をいえないけど、根本からして悪いヤツがいるよね。
「歩行者が居るのにハイビームをやめないどこ見て運転してんのなヤツ」と「オートハイビームが歩行者に反応してローにしない技術的な問題」をなんとかしてほしいと思うんですよ。
顔だけ避けるハイビームは日本らしい技術だなって
さてこの「顔だけ避けるハイビーム」について、どのような原理で実現しているかをざっくりいうと━━。
ハイビームで歩行者の顔が見えるわけじゃないですか。
それを検知して、ヘッドライトに使われている1万6千個のLEDを1個ずつレベルで制御し、歩行者の顔の部分だけを消せば、歩行者が「眩しいッッ!」てならないわけですよ。
こういってはなんですが……、「そこまでやる必要ある?」と思った。
オートハイビームがすべての元凶に思う
ここで一度、道交法に基づくハイビームの取り扱いを振り返ってみましょう。
- すれ違い用前照灯(ハイビーム)は、夜間(日没時から日の出まで)、他の車両と行き違う場合や、他の車両の直後を走行する場合以外は、常に使用すること。
- ただし、夜間であっても、交通状況に応じてロービームを使用しなければならない。
- 具体的には、以下の場合はロービームを使用する。
- 市街地で、道路照明灯などにより十分な視界が確保されている場合
- 対向車と行き違う場合や、他の車両の直後を走行する場合
- 霧や雪などで視界が悪い場合
- その他、ハイビームの使用が危険であると判断される場合
ざっくりいえば、他人がハイビームで「眩しいッッ!」と感じたらアウトってこと。一応「減光等義務違反」という罰則もあります。
今は「オートハイビーム」という機能が多くなっています。
これは、対向車のヘッドライトや市街地で光量が増えてくると、自動的にハイとローを切り替えてくれます。ドライバーが手動で切り替える必要がないので、まぁ楽には楽なんですが……。
歩行者には反応しないのよね。
歩行者に対して光も少なからず”反射”はしているのに、それを検知してローに切り替えるものがない。そしてドライバーもローにしてくれない。
これがマジで意味わかんないわけですよ。
歩行者が見えて(気づいて)ないのだろうか……。だとしても、あなたはどこを見て運転しているのだろう……。視野が狭すぎやしないかと思うし、気づいててローにしないのもクソすぎますよと。
顔だけ避けても一瞬はハイビームが当たるわけだよね
顔だけ光を避けるのもスゴイ技術なわけですが、歩行者をハイビームで照らすことには違いないし、一瞬でも眩しいことには違いないんじゃないかなって。
シャツの顔プリントに反応して、そこだけ照らさないパターンは面白そう。
これはこれで歩行者にとっては「眩しくない」となるわけですが、その状況下に自分がいるとして考えてみてください……。
闇夜にスポットライトで照らされているような状況になるんじゃ? ━━と思うわけですよ。
この状況は歩行者の姿が良く見えるわけで、ドライバーが「あいつ誰だ?」みたいに注視する可能性もゼロじゃないかなと。人間は視線の先に進むクセがあるので、歩行者が気になりすぎて突っ込むバカも少なからずいるんじゃないかと。
まとめ:日本らしさがある
1万6千個のLEDを個別に制御して、任意の部分を消したり、図形を描いたりする技術━━。素直にスゴイじゃないですか。
でもシンプルなローとハイの2種だけLEDより、コスト的には鬼高くなるわけですよね。
もし大衆車に搭載するなら、オプション扱いで幾ら増えるんだろうなって。となると、客がわざわざ選ぶかなと感じるので、ポルシェのような高級車から搭載するのは正解だと感じます。
この技術自体はヘッドライト以外に活かせる場所はたくさんありそう。
室内照明でも床に文字を描いて案内板代わりになるし、緊急時だけ照明が誘導ルートに矢印出すとかも可能なわけだし、逆に考えれば誘導的なスポットライトにも使える。
ただ……自動車のハイビームに関してはまず、ドライバーが気づいてローにしてくれや、と切に願うわけです。
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