浜松市の銘菓「うなぎパイ」の生産工場が、新型コロナの影響で生産休止に──。
というニュースが流れたところ、人々の反応をみて、報道の在り方というか情報を正確に伝えることは難しい……ことを再認識することに。
在庫過剰で作っても無駄だから生産停止するだけの話
うなぎパイの生産停止は一時的なものです。
販売数減で在庫過剰になったし、工場動かしても赤にしかならない。だから一時的に生産を止めよう。──あっ、もちろん給料は(停止中の分も)支払うからね! ……が理由です。
給与カットもないし、13日から21日までと決まっているので、早めの大型連休と変わりませんね。
うなパイは春華堂の販売店舗をはじめ、県内のストアや高速サービスエリアに各駅構内など、浜松市内ならどこでも見るレベル。今は観光客も減っているし、外出自体が自粛傾向であるため、そもそも買う人が居ない状況です。
経営判断としても真っ当で、社員はリモートだけど派遣は出社の対応よりも、格段にマシではないでしょうか。その代わり、5月の連休は休めない可能性が浮上しますけど……。
ニュースを全文見て判断できない勢がかき回す情報社会
ニュースや新聞のタイトルや見出しは、見てもらわないと意味がないので、人の興味を惹く一文になりやすい。そこは必要な情報だけを乗せるべきですが、あえて過激な表現だけを抜き取るパターンが大半をしめる。

Googleで検索した際のトップニュース表示がこれ。
これだけ見ると、朝日が(珍しく)内容をわかりやすく圧縮したタイトルを付けていることがわかります。NHKと他は「新コロの影響で生産停止」だけを伝えており、正確な内容とは遠くなっています。


記事を全部読むと、どちらも「生産停止は在庫調整のため」「アレの影響で販売が落ちた」「従業員の給与は保証している」の情報はおさえている。でもタイトルと見出しだけで内容を判断すると、「新型コロナウイルスの影響で生産停止」が心象に刺さると思う。
コロナの話題は感染者数と死亡者数だけを報じているし、それが余計に不安を煽る結果になっています。実際は回復者数も半数をこえています。

かかると治療法がないのは普通の風邪も同じ。こじらせると死ぬ恐れがあるのも風邪と同じ。感染の特徴も風邪と同じで予防法も同じ。だけど──これだけ話題になってしまうのは、新型のウイルスだったことと、死亡者数だけが先行しすぎた結果でしょうね。
TVや新聞だけしか見ない人は、余計にこじらせている印象が強い。ネットなら「それ本当?」と思えば自分で調べることができますしね。
「うなパイが無くなる!?」と勘違いしたバカが経済を回すかもしれない
トイレットペーパーの買い占めは、デマに釣られた勢が行動を起こした結果。実際問題、一時的な品薄でガチで必要とする勢は激怒した出来事だったでしょう。
うなぎパイも同じことで、このニュースを勘違いすると、「うなぎパイがしばらく食べられなくなる!」と叫ぶ人も中にはいると思います。それに連動して行動を起こすと、翌日はうなパイの売上が急激に伸び、店頭から在庫が一掃される可能性もあるかもしれません。
もしそうなれば、「どうする? あんなこといったけど、工場再稼働しちゃう?」の流れになるかもしれない。

うなぎパイは割れやすい商品のため、通信販売は行っていません。
なので意地でも買いたいなら、販売店舗に足を向けるしかない。だからこそ転売も成立していたんでしょうね。東海道線の主要駅ならどこでも買えるレベルだし、宅急便でワレモノ発送してもバッキバキで送られてくるだけだと思うが……。
春華堂で買える「割れ物」のうなパイが好きです。少し安いし、味は変わらないし、もともと割れているから崩さないよう食べる気を使う必要ないし。
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