【書評】BLUE OCEAN SHIFT(ブルー・オーシャン・シフト)

【書評】BLUE OCEAN SHIFT(ブルー・オーシャン・シフト)

「事業を成功させたいならブルーオーシャンを選ぶべきだ!」

──という内容を想像してました。しかし本質は真逆。成長が行き詰まった時こそ、レッドオーシャンに進む道を探すべき!みたいな内容。

「順調に利益を伸ばしていたのに……」と悩む経営者に読んで欲しい本ですね。

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ブルーオーシャンから始めるのは難しい

「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」は、経済市場を比喩した言葉。

ブルーは競争相手が少ない分野で、これから伸びる展望しかない市場。大してレッドは既に熟しきった市場で、新規参入しても苦戦する未来しかないから避けるべき。──てな感じ。

わかりやすい例をいえば、いきなりステーキの事例かもしれない。

開業当初は競争相手がなく、安くてうまいステーキを武器に全国の肉食業界を席巻。……しかし今は類似店が無数に建ち、無理のある出店ペースと市場調査(笑)が裏目に出て、かつてのナンバーワンは存続すら危うい事態に。

開店当初はブルーオーシャンだったものの、他が追従してきてレッドオーシャン化してしまったワケ。

『BLUE OCEAN SHIFT』に書かれている内容は、ブルーからレッドになってしまった時、経営者はどのように思考を切り替え、ブルーに戻すかに焦点があてられている。

例えば現在の観光業界

コロナ禍で最も煽りを受けているのは観光業(宿泊・旅客)。

ここ10年近く、じわじわと来日客が増加し、「インバウンド万歳!」となっていたのが2013~2017年の頃。ほとんどが15年前後から外国客向けの投資を開始して、18・19年と最高潮の盛り上がりをしていた。

──が、結果は知っての通り、来日できなければその市場も動くはずがない。ここで潔い経営は、外国向けを切り捨てて国内向けにシフトすること。

ただし、外国向けのみに絞ったリニューアルをしたホテルも少なくない。まあそれはオリンピックがあるからだけど、投資した以上、引き下がれないパターンに陥っている感じ。

こんな時、かつての利益を目指すのは到底無理な話。

レッドを通り越して真っ黒になってしまったのだから、方針を転換する必要がある。

それに気づくか気づかないか。諦めるかそれとも切り拓くか。

単純な話、今までのやり方が通用しないなら変えるしかない。

観光業の話に絞るなら、日本国内だけで動かせる市場は全人口からせいぜい40%程度。

インバウンド効果前は1億人を相手にアレコレ苦戦していたけど、世界から客を集めれば70億以上も見込めることになる。手詰まりだったレッド状態が、日本旅行ブームに爆買とかオリンピックなどの要素があって、ブルーに変化した。

県をまたいだ移動が制限されようとも、県内の客をもてなすことに、なんら問題はない。

なので現在も苦戦が続いている観光・宿泊に関しては、県内や国内からは「特に魅力がない」と思われていると受け取れる。もちろん感染リスクなり自粛の影響も少なからずある。

現在はレッドオーシャンの極地になった市場でも、単純な話、新しい価値を見つければいい。

ホテル・旅館の回復期に向けた業界リーダーの討論を取材した、今までのやり方では無理、新たな旅行形態への対応を
コロナの危機対応とコロナ後の回復。宿泊業界がとるべき方策を、ホテル・旅館団体のトップと観光庁が議論。

今までのやり方が通用しないなら、別のことをやってみればいい。思考が停滞してしまうことは、あなたの時間が止まってしまうことと同じ。

今の時代にブルーオーシャンを見つけるほうが難しい

イノベーションやらベンチャーなどの思想がもてはやされているけど、全く新しい分野は理解する層が限られていて、ビジョンはあっても実現まで待てないのが日本の気質。

初期からブルーに挑むなら、研究職上がりしかないと思う。

でも今は市場が世界に広がっているため、新規事業よりも既存事業の不満点を解決し、新たなアプローチで挑むのが『ブルー・オーシャン・シフト』で気付けること。

LINEやメルカリに勝ちたいなら、あのアプリやサービスであがる不満を潰して、更に良いサービスに仕上げれば良いってわけです。

──いうなら簡単だけどね。

 

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