2000万円必要な老後ってそんなに不思議か?

「老後に2000万の貯蓄がないとヤバイ!」

──で、荒れに荒れている世論を尻目に、65歳定年で95歳まで30年間生きる前提なら、それって当たり前やろ? と気づく視点も必要じゃないかなと思います。年金だけで老後を過ごす想定は、生活水準を下げるか、不足分を稼ぐかしないと無理でしょうよ。

それは年金の平均支給額を見てよくわかりました。

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年収400万円で年金はどのくらいもらえるの?

年金は支払額に応じて受給額が増減します。

年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類あります。厚生年金は企業(就業)から加入する年金で、年収から差っ引かれる分。国民年金は成人した時点で加入するし、それ以前でも正社員になったり必要があれば加入できます。

たとえば新卒なら、企業に務めることで、国民年金と厚生年金に同時加入していることになります。

日本年金機構

で、国民年金の受給額ですが、40年間支払い続けることで、満額の78万円が年間で支給されます。月額だと「78÷12=6.5万円」になります。少ないですが、国民年金は義務ですので、望む人全てが受け取れます。

月額を嵩上げするには厚生年金頼りになります。算出は「平均年収×加入期間×0.005481」で求めることができます。

仮に平均年収400万プレーヤーが40年加入した場合だと、「400×40×0.005481=87.7万」となります。そして国保と合算して165万円。これが年にもらえる額になるため、「165÷12=13.75万円」となります。どのみち少ないっすね。

単純に年収をあげていけば年金は増えていく

というわけで、年収をあげて収める額が増えるほど、年金の受給額は増えます。

「それが簡単にできれば苦労しねぇんだよ!」の声は至極当然。終身雇用の場合でも、経営トップの役員クラスにつかない限り、年収は50代以降から減るため、役職でも上下はしますね。

老後でも何をするにも金がいるし、物価は高くなる一方だし、お一人様なら介護の代金をどこで賄えるのか──。

年収750万以上でも月額は20万に届かないレベルなので、働いていた時と同じ水準で暮らすことは無理な話。だから退職金があるし、老後に備えた貯蓄が必要とされるわけ。

月5.5万のマイナスで30年生きれば2000万借金するだろうよ

老後2000万円の試算は、65歳定年で95歳まで生きた場合にかかる費用を指しています。政府は「月5.5万円の赤字」に関しては訂正しませんでした。なので計算してみましょう。

「月5.5万の赤×12ヶ月×30年間=1980万円」

だいたいあってるやんけ……。ではなぜ荒れたかの理由は、文言だけで”国民全員に該当することなのか?”と先走って勘違いした人たちのせいです。人類皆平等を掲げるなら当然の疑問であり、論点とすべきポイントです。

まあ知っての通り少子高齢化で、「年金を納める人<受給する人」の構図になっており、足りない分は借金しないとどうしようもない状況になっています。これは日本だけじゃなく、高齢化が進む先進国が抱える問題。

人生100年時代構想 | 首相官邸ホームページ
首相官邸のホームページです。

「人生100年時代構想」は立派な考えですけど、100年まで生きる人の何%が息を引き取るまでガンガン稼げるかって話になると、無理な話でしょう。退職後に地方議員や国政に携わる道もありますが、激務なことに変わりはありません。少ない座席を奪い合う構造には違いないから。

税制の仕組みを理解していれば、いずれ年金が破綻するのは明白です。これを解決するには制度を見直すか、自分で足りない分を稼ぐ必要があります。

金融庁は制度を見直すための資料を作成しただけ、と思われます。

これから年金を受け取る年代にとっては、現実を突きつけられブチ切れるのも仕方ないですけど、事前対策ができるいいキッカケを与えられたと、前向きにとらえてはどうでしょう?

赤5.5万円分をどこで補うか

年金受給額は平均で、男性18万円、女性10万円ほどです。

女性が少ないのは専業主婦がいるのと、生涯年収では男性よりも平均で少なくなるためです。ここでも男女間格差があるからキレてもいいけど、男性より稼いでる人は受給額が多くなるわけだし、「能力(業種)=収入」の差はいかんともしがたいものですね。

厚生年金の平均月額は、男性「18万円」女性「9万円」
「自分がいくら年金を貰えるのか」というのは、定年後の生活設計をする上で、一番気になる問題です。

年収400万なら手取り15~18万くらいなので、受給額からすれば、そのままの生活水準でなんとかなる金額。しかし年金は所得になるため、課税があるのが難点。

65歳以上なら基礎控除が多くなるので、青色申告でほぼ非課税までいけますけど、そこから保険金など控除対象外の出費が多いのであれば、就業時よりも自由なお金は明らかに減ります。

そのため老後に資産形成をするのが難しくなる。なぜならば、貯まりにくいし、損した場合の補填が効きにくいから(働いて返す形で)。

月額5.5万円も赤になるのなら、最近流行りの副業をやればいい? そういうのは簡単ですけど、老人にUber Eatsなど体を動かす系は無理です。ならば自宅でできる方法になる──となれば、手っ取り早いのが資産運用になりますよね。

しかしマンション経営など不動産扱うのも、一等地なり人工流入を見極めないと損するだけ。なので自分で判断する知識は必要だし、一番いい機会で購入できる資金力も必要です。

高齢者と税(年金と税)|国税庁
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「老後でも稼げる術を身に着けなさいよ」を知るキッカケになったかと

なんだかんだで老後2000万の件は、お金をいかにして生み出すか・管理するかを再確認するいい機会になったかと思います。「2000万円を用意して迎えるor老後で2000万円を生み出す」どちらかの選択になりますね。

「老後2000万円」問題のあまりに残念なすれ違い | 家計・貯金
金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」(6月3日)がここしばらく、話題になっています。7日にも麻生太郎財務大臣が「表現が不適切だった」などとコメントしましたが、その姿勢などをめぐって批…

東洋経済の記事が、当問題について簡潔にまとめてあります。

もし年金だけで暮らす前提の話なら、何かの税金が上げて賄えばいいだけの話。でも税金を上げると必ず反対するでしょう? 社会保障の補填で消費税率10%にせざるをえないのに、反対するのはそれを受け取る人々でしょ。

なら議員報酬や公務員の給与をカットすりゃいい……とはいうけど、聖人君子だって減給されてやる気なんて出ないでしょ。

税金に関しては、就業者は退職まで「無駄に引かれる金」の認識しかないので、いざ自分で管理する時になると困ります。確定拠出型年金(iDeCo)も節税の面で話題ですが、支払う額を積み立てているだけで、お金を支払うことには変わりません

今回の件で財テクの情報商材がメチャ売れそうな予感がするし、FPの需要もあがりそうですね。うさんくさい高利回りの投資案件も増えそう。そういった詐欺めいた話を回避するにも、最低限の知識は必要です。

楽して稼げる仕事なんて、この世にありませんよ。そう見える人は、そうなるまでにめちゃくちゃ苦労しているからです。

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