今更感あふれるエントリーですが……、先月各地に豪雨被害を伴った「令和元年台風19号」から、全力で逃げてみた時の話になります。
その感想は以下のようになりました。
- 台風の進路予報が恋人からの連絡より気になるように。
- 行くのは楽。帰れなくなると地獄。
- 臨時休業が多く食糧難。
- ホテルのチェックインまでがつらい。
- 暇潰しでギガが減り、バッテリーも減る。
- ネカフェが最適解の理由。
台風19号から逃げるために名古屋まで行った話
上陸予想から5日前──。”猛烈な”勢力のまま「静岡~神奈川」に上陸するのがほぼ固まったため、「前年(24号)のように家でガクブルしているくらいなら、範囲外に逃げればよくね?」と思い、県外退避を決意した。ちょうど根入れて勉強したかったしね(出来なかったけど)。
とはいえ、今回の台風は暴風域がめちゃ広いため、ガチで逃げるなら九州まで行く必要がある。
「ならどうするか」
考えた結果、ギリギリ圏内だし中心部に近い『浜松』よりはマシだろう……と、『名古屋市』をキャンプ地とすることを決める。
台風対策は出発前に万全な体制にしたとして、問題は宿泊できるかどうかだ……。(上陸が)ちょうど週末だったこともありどこも満室。
──でも、でもきっとキャンセルが出るはずだ!
そう予想してギリギリまで粘った結果、2日前に名駅近くのホテルを確保。仮に暴風雨で傘がふっ飛ばされようとも、出口から全力ダッシュ3分以内で着ける距離……! 看板……飛んできませんように……ッ!

そんなわけで、名古屋入しました。
台風の進路予報が恋人からの連絡より気になるように
(暇だったから、もあるが)しょっちゅうスマホで天気予報を見ていたため、恋人からの連絡待ちよりそれを見ていた。
最悪の予想が的中して浜松上陸ともなれば、帰ったら家が無い可能性もあるため、そりゃあ気になりますよ。「帰ったら隣の家が変わりに建っていた」とか、ありえない話じゃない。それはビニールハウスでよく聞いたけど。
結果的にそれは”杞憂”で済む。豪雨被害は雨雲レーダーで位置を確認していたため、関東の雨のヤバサは昼頃に知っていました。東日本だけでなく、三重県もかなりひどかったんですけどね……。
行くのは楽。帰れなくなると地獄
台風上陸前日に、主要鉄道は午前9時から順次運休が決定していました。そのため問題は「何時行くか」に尽きます。
アナウンス通りなら始発を選べば大丈夫。でも台風の特徴からして、大雨で朝から運休をキメこむ可能性も捨てきれない。もしそうなれば、朝っぱらから自分の住む都市で帰宅難民ワンチャンあるリスクがある。
──万全を期すなら前日夜しかない。でもどこに泊まればいいんだろう。
そうだ、ネカフェに泊まろう。

無難に寝れそうな席を選んだら喫煙席だった。けど「まぁいいか」で一夜を過ごしたら、着ていた服やバッグがめっちゃヤニ臭くなり、もう二度と喫煙席は取らねぇと心に決めた。冷房の風が来ている席だったから余計だったのでしょう。
「なんで変更しないの?」といわれれば、ダメ人間ってのはこんな生態なんだよ、というしかない。
臨時休業が多く食糧難
「台風接近のため臨時休業」。この張り紙をいくつ見たことか。
やっている店舗は「マック」「牛丼チェーン」「コンビニ」「24H営業でも一握りの精鋭」「ドンキ」くらいでした。名古屋に”名古屋めし”なんてあるわけないだろ。
コンビニで飯を買おうにも、同じ思いを共有する面々が蠢いているのか、それとも地元の人が「やべぇよやべぇよ……」と買っていくのか、不味そうな物以外売れている棚がデフォルトでしたね。

……到着時にラーメン食べていて良かった。決して美味くはなかったけれど、あの選択を間違えばポテチが晩御飯になっていた。
てか、なんでドンキは営業しているんだい? 東日本の豪雨でも頑張っていたらしいじゃないか。
ホテルのチェックインまでがつらい
チェックイン時間は15時。風はそこそこ雨は弱い状況なのに、どの店もやっていないから、どう時間を潰したもんかと悩んでいた。
「時間早めてくれないかなー」と、慈悲の心に期待を込めて電話してみたけど、15時までどうしようもないといわれれば、しょうがないよね。
ミッドランドスクエアの映画館が営業しているので、この状態で『天気の子』をみればロックじゃないか? と思ったが、時間が合わないし3度目だしでやめた。他に見たいのもないしな~。
JRも名鉄もストップしているため、実質愛知県からの脱出は不可能。地下鉄は動いているから、ぐるぐる周ることも可能だけど、店がやっていないし外に出れば濡れるから、利用するメリットが微塵もないのが難点。名駅で報道インタビューが来るのを待つのが、一番の時間潰しだったのかもしれない。

こんな時のために文庫本を持ってきていたしKindleもあるけど、せめて椅子に座りたいんやで……。
暇つぶしでギガが減り、バッテリーも減る
天気予報やSNSなりKindleで、端末のバッテリーがマッハでした。
こんなこともあろうかと、モバイルバッテリーを用意していたので問題はナシ。ただしこれも使えなかったとなれば、マックでコンセント争奪戦に参加する必要があるかも。こんな日は充電済みバッテリーを持って、駅で露天商すれば地味に稼げるのではないかとも考えていた。電気街の格安を選べばコンビニより安く売れるで!
ネカフェが最適解の理由
台風のような自然災害の時に交通機関がなくなった時は、まずネカフェを確保するのが最優先です。今回マジでこれを痛感した。ネカフェのHPにも”そういう旨”が書かれているし、非常事態に選ぶのは間違いじゃないかもしれない。
ただし、停電の場合はどうなるんだろう……。「シーン」とした店内にそれが訪れたら、奇声がそこら中から出てきそうだし、それはそれで面白そうな、見てみたい光景ではある。──巻き込まれたくはないが。

あと寝るなら禁煙席を選ぼうぜ! ヤニの臭いは2回洗濯しても取り切れなかったよ。
【結論】台風から逃げるなら進路外まで逃げよう
去年の24号の時も逃げることは考えましたが、”九州から紀伊半島に上陸して太平洋側を通り抜ける”ようなルートだったから、「ここからどこに逃げればいいってんだ! 石川県か?」という状況だったため、甘んじて家でガクブルを選択していたわけです。当初は映画館に退避とか、イオンも考えたけれど、早めに終わることが確定していたからね……。
今回の台風はまだ逃げる余地があったので実行に移しました。
米国ではこの規模のハリケーンが来ると、進路上は非常事態宣言が出て、住民大移動が始まり渋滞でフ○ーック! と叫んでいる状態です。

台風であのクレーンがポキッといかないか不安でしたよ。
一方で日本は、災害大国たる故に世界最高峰の頑丈な施設が多い。だから”事前退避”の選択肢が上がりにくい。地震津波でも「それに耐える施設作ればよくね?」「それな!」で考えるクレイジーさがある。だからこそ、日本の土木技術が世界最高水準なわけだが──。
今回の豪雨被害でいえば、気象庁の記者会見で、”狩野川台風と同等かそれ以上──”とあらかじめ予測はされているものの、「だからといってどう逃げればいい?」の指標がなく、狭い国ながらの問題を抱えていると痛感する。
でも社会が昔と明らかに変化した所も散見される。
主要な交通機関が停止するのは浸透している。計画運休になっても駅が混乱することもなくなってきた。電車が止まって「FU・ZA・KE・RU・NA!!」は、踏切点検か人身くらいになっている。
ただ──「ご覧ください。いつもなら人がいっぱいの新宿駅に誰もいません」とか、だから何的なニュースは無駄すぎるし控えて欲しいと願うばかりです。それよりも伝えるべきことはあるだろうと。これからの雨雲の動きとか、特に強く降っている地域に注意を促すとか、ローカルな報道を心がけてほしいと毎度思います。
避難して「何もなくてよかったね」で済む社会を
あの日は昼ごろから箱根と秩父辺りに強い雨雲が常にかかっており、それが日が落ちるまで続いていたことを知っています。

今だとウェザーニュースなどで「雨雲の動き」を数時間先まで予想してくれているし、ネットを利用して自分で調べるほうが、TVの情報より確実だし早いです。特別警報に変わったのは日が落ちてからだったし、まだ台風が通過前だった。あんなに長く雨が続いている中で、なおかつ夜道を避難しろとか、無理ゲーだし二次災害の危険性は増します。
未来予測が過去よりも進んでいるわけですし、今後の予報を加味するなら、全域避難の号令はまだ早く出せていたはず。……毎度ギリギリなんですよね。
予想から自己判断して逃げる人も居れば、促されても逃げれない人もいます。その差をゼロにするのは不可能に近いが、限りなく近づけることはできるはず。避難する必要はあるのか、それともないのか。迷っているくらいなら避難して、「何事もなくてよかったね」で安堵しあえる雰囲気があるといいなと感じます。
台風被害に遭われた方のお祈りとご冥福を、お見舞い申し上げます。
コメント