最近、米国食品医薬品局(FDA)が、Appleの「AirPods Pro2」に補聴器機能を追加することを承認しました。
これは難聴患者にとって朗報じゃない?
本記事では、AirPods Pro2の補聴器機能について詳しく説明し、その特徴やメリット、課題についてまとめています。
AirPods Pro2の補聴器機能とは?
- AirPods Pro2に補聴器機能の追加が決定(日本ではヒアリング補助機能)
- 2024年秋のアップデートで追加される
- 難聴度合は軽~中度に適応し、重度は専用の補聴器がいい
- セットアップは5分間の聴覚テストを受けるか、専門医師の診断書をアップロードするか
- iPhoneとAirPods Pro2があれば聴力検査がいつでもできる?
補聴器機能の追加
2024年9月12日、米国FDAはAirPods Pro2に補聴器機能を追加することを承認しました。
難聴患者にとって、補聴器に新たな選択肢が生まれるわけです。
にちなみにこの機能は、日本だと「ヒアリング補助機能」の名称で提供されます。
……なんで変える?
提供開始時期は?
この新機能は、2024年秋のアップデートで提供される予定です。
利用者は、アップデートを通じて新たな機能を手に入れることができるようになります。
補聴器機能の特徴
AirPods Pro2の補聴器機能自体は、外部音取り込みに変更を加えるだけかなと。
イヤホンは装着すると耳を塞ぐので、外の音が聴こえにくくなりますが、外部音を取り込んで再生することで、装着してないような状態を再現しています。
この外部音取り込みを増幅させることで、補聴器と同じ役割を実現している技術かと思います。
セットアップ方法
AirPods Pro2の補聴器機能を利用するためには、まず約5分間の聴力検査を受ける必要があります。
これはFaceIDみたいな感じでやるんでしょうね。
その結果を基に、ユーザーの聴力に合わせた設定がされます。
また、専門医による検査結果をアップロードすることも可能です。
これにより、個々のニーズに応じたパーソナライズが実現します。
パーソナライズされた音声増幅
この機能では、周囲の音をリアルタイムで増幅し、ユーザーの聴力に合わせて調整されます。
音楽、映画、ゲーム、通話など、すべてのデバイスで自動的に適用されるため、日常生活のさまざまなシーンで利用できるのが特徴です。
これにより、難聴者がより豊かな音の世界を楽しむことができるでしょう。
利用可能地域
AirPods Pro2の補聴器機能は、米国、ドイツ、日本を含む100以上の国と地域で利用可能になる予定です。
これにより、広範囲にわたるユーザーが新機能を体験できるようになります。
メリットと課題
新機能にはメリットとデメリットがつきもの。
補聴器機能も例にもれず、わりと致命的なデメリットがあります。
メリットは?
- ファッション性
ある意味「Apple製の補聴器」になるから、見た目で補聴器だとわからないし、難聴患者だと思われたくない人にとって、ファッション面でうれしいニュースかなと思います。
外部音取り込みをしているイヤホンは他にもありますが、ソフトウェアで音の増幅に対応し、補聴器化するのは素直に発想力だなと感じました。
なので、業界がこの流れに続くと、ヘッドホンタイプの補聴器も登場するかもしれません。
- コスト面
コスト面のメリットは、けっこう大きい。
補聴器は平均10~30万円するのに対し、AirPods Pro2は最低4万円弱で買えますしね。
課題(デメリット)
- バッテリーの持続時間
AirPods Pro2は単体で連続再生が5時間ほど。待機のみで8時間ほど。
仮に学校や仕事先で装着していると、1回は充電を挟まないとダメですね。補聴器は電池で4,5日はもつし、大きければ1週間以上もつモデルもあります。
あと、長時間の使用時に快適性が保たれるかどうかも気になるポイントです。
- 性能面の限界:
補聴器としての性能は、専門の補聴器に比べて劣る可能性があります。
軽度から中度の難聴者にとっては、カジュアルな選択肢として魅力的です。しかし、重度の難聴者には、十分な効果が得られないかもしれません。
さらに、気になるのは聴力検査の精度。
AirPods Pro2で簡単に聴力検査ができるため、これによって自身の難聴を発見することができるかもしれません。
自分の聴力を知る良い機会となり、早期の対策につながることが期待されます。
最後に:AirPodsが耳の健康アイテムになるかも?
AirPods Pro2に追加される補聴器機能は、難聴患者に新たな選択肢を提供する重要な機能です。
個々の聴力に合わせたパーソナライズや、日常生活での多用途性を考えると、非常に魅力的です。
もちろん、コストや性能面での課題もありますが、軽度から中度の難聴者にとっては有用なアイテムになるでしょう。
新しい技術を活用して、より豊かな音の世界を体験していきたいですね。
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