イベント設営会社がネットワーク設定会社に転換しそう。
ライブ中継の同時接続が100万人を「視聴率1%」と思えば、すごいことなんじゃない?
初音ミクのネットライブで同時接続300万人を記録!
このニュースを聞いた時、「は?」って思いました。
ミクさんの人気も再確認できたし、何よりも、300万人の同時接続に耐えるサーバーがこの世にあるんだなと驚く。春節のアリババセールなんて、数億人が同時アクセスするようなもんだし、中国のサーバーはどうなってるんだろうな……。新規ソシャゲがアクセス過多でダウンはカワイイもんですよ。
手越祐也緊急会見も同時接続が100万超えを記録し、ネットライブ配信の可能性を業界人に示せたのではないでしょうか。
むしろここで「いけるやん?」と、切り替えない方が間抜けだと思います。
ライブ映像をネット配信するメリット
- 整理員や警備員の動員を減らせる
- 客の感染症対策になる(演者とスタッフには恐れあり)
- 会場の大きさに関係なく集客できる
- 1席飛ばしのソーシャルディスタンスでも売上期待値が高い
- 会場運営にかかる費用はコストダウンできる
- ライブ配信とアーカイブで永続コンテンツ化
- 地方勢の交通費が浮き、グッズへのお布施が捗る
- 体がひとつでも複数ライブを同時視聴できる
──などなど。正直、メリットのほうが多いです。
ライブのリアルタイム配信は、現状だと映画館を使うライブビューイングが相当します。ようはTV生中継をスクリーンに流している感じ。なのでネット配信自体は、いつでもおこなえる設備はあるといえます
でも、ライブはアーティストを間近で応援する意味合いが強い。コール&レスポンスに命をかけているアイドル業にとって、大声を出して近所迷惑になる可能性がある自宅視聴は、壁を感じるのではないでしょうか。一人ぼっちでサイリウムをぶんぶん振っても、「この声はアーティストに届いているのだろうか」──と、冷めてしまう恐れもあります。
違う見方もできます。
複数人で集まるホームパーティ感覚で視聴するのもいい。これはスポーツ観戦でよくある形態ですね。なら飲食店なり小規模ライブハウスが放送権利を持てば、新しい販路にもなるのではないでしょうか。
ライブ映像をネット配信するデメリット
- コール&レスポンスがない
- 同時接続に耐えるサーバーを想定する費用
- 映像のビットレート最適化と会場のネット環境にマニュアルがない
- ネット配信の鑑賞チケ代の相場がない
- 会場近隣のホテルなど観光が縮小する
100万人を超える同時接続を耐えるサーバーは限られています。ネット配信事業に投げるほうが楽なわけですが、ここで勘違いをしてケチると、数千人規模でも落ちる残念なライブになりかねません。YouTubeとかネトフリなど、クッソ大手のネット配信に依頼するほうが確実。日本国内の同タイプに依頼する道もありますが、ネット配信よりTV生中継が無難では?
で、会場ライブ配信で最大の難点といえば「コール&レスポンス」です。
通常なら「みんな愛してるよー!」と演者がいえば、「ヴォー!」と会場が揺れます。これが無観客なら「……」となり、せいぜいハウリングがひぃんとなる程度。感染症対策で1席飛ばしなら歓声はあるけど、”圧”が少なくなります。
無観客だとMCも回しにくいし、仮にチャットコメントを参考にするにしても、大人数すぎると抜粋するのも苦労します。最大のネックは、「アーティストとファンの繋がりが希薄になること」……かもしれない。
ヤマハが変えていく配信ライブと自宅を繋ぐ技術
自宅と会場をネットで繋ぐことは簡単。ただ、声を届けることが難しい。
100万人が「視聴」するのはできても、100万人の「歓声」をリアルに届けるのは難しい。自宅からになると、群衆ではなく個人ですからね。仮に視聴者全員がマイクで音声を届けても、それを一纏めにして、会場に届ける方法が困難です。集約するシステムが必要になるから、負荷は倍以上になります。
無観客ライブでも観客のレスを会場で表現しようという取組は、WITHコロナが解決するまでの大事な課題点かと思います。
そこを変えようとしているのが「ヤマハ」。これが実現すると、アイドル系タイダーコールの騒音被害が増えるかもしれない。防音の個室を作っている企業の株が上がるかもしれませんね。
本日のまとめ
TVの生中継ライブはすごい。
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