はじめて天一に訪れたのは20年近く前。あれから随分、周辺から店が姿を消してしまい、静岡県内はとうとう浜松に1店舗だけ。
AIが車両進入禁止と認識しようとも、ラーメンファンの歩みは止められない。
静岡県内で唯一の天下一品ここにあり
天下一品 浜松船越店は、いつからあったのか記憶にない。
色あせた看板が歴史を物語っているし、気づいたらそこに居た。きっとこれからも存在してくれるでしょう。静岡に天一ファンが居る限り……。
天一といえばこってりラーメン。でも私の印象は、どろどろラーメンのまま。
はじめては浜松の別店舗に捧げた。その時に食べたのは、スープというより粉でした。丼にホットケーキの生地を流し込んだような感じだったんですよ。
数々のこってりを攻めてきたけど、あれ以上は未だに巡り合わせていない。
天一の話題はよく聞くので、過去は何かの手違いじゃないかと思う一方で、ガチかもしれない。”本物”はあれを「これぞ!」と喜んで食べるかもしれないじゃない。
今回訪れたのは興味心と、トラウマと向き合うこと。
なるほど、これは不思議な魅力があるこってりだ
こってりラーメンとライス小を頼んだら、「ラーメンセットですね!」といわれた。……ほう、もともとセットがあるんですか(セットは小だけ)。
カウンターよりもテーブル席が多め。感染対策のため、カウンターは仕切りと座席間隔がガバガバになっている。注文はオーダー式。
届いたのは実にシンプルなラーメンです。
お手本のようなシンプルさ。映えをかなぐり捨て、「うちらが天下一品ぞ」といわんばかりに、丼が歴史を主張している。マジリスペクト。
スープを掬ったら、たしかにドロッとしている。
でもあの時ほどじゃない。こってりといわれればこってりだし、口にすればどろり濃厚──てほどでもない。なんとも不思議な感覚。
レンゲの長さが丁度よく、スープの飲みやすさをサポートしてくれている。うん、まさに完璧な構成でしょう。
麺はとにかく長い。啜る勢のバキューム力が試される長さ。……一方、啜れない勢の私にとっては拷問。誰だよ! 麺を口で切るとマナー違反とか考えたヤツはよ!
まぁ切るけどね。
もしや、麺とスープが本体じゃな?
食べてみてわかったけど、具材は正直いって要らないレベル。
なぜかといべば、スープと麺に力強さがあるから。──というか、味が明瞭なのがこれだけしかないってのもある。
こってりスープの色と舌触りは煮干し系だけど、味は鶏ガラ系のまま。いくつか煮干し系を食べていると、このギャップに脳がやられる感じ。粉っぽさはあるけど、その実あっさりしていて、麺とライスがめちゃ合う。
なるほど、コアなファンがつくのも頷ける。
「天下一品 浜松船越店」はこちら!
片側二車線のバイパス沿いにあり、深夜0時まで営業しています。深夜営業ラーメン激戦区でもあるかな。
ラーメンはこってり以外にも、普通のしょうゆに味噌などもあるし、定食もあるから家庭的なレストランみたいな印象。
オンライン販売にモバイルオーダー、一部店舗でスープのテイクアウトなど、多角的で面白い試みをやっている企業でもあります。
ラーメンの味は創業以来を保ちながら、業務形態は時代に合わせた柔軟性を持ち合わせている……。うん、これだけ聞けば一部上場企業っぽいな!(ちな非上場)
コメントエリア