ナイスパスは、主に静岡県西部の交通機関で使える交通系ICカードのこと。
交通系ICカードといえばSuicaがありますよね。
なら同じように、「お店の支払いで使えるのでは?」と思うのは当然です。
ここで結論をいっちゃうと……。お店の支払いには使えませんし、今後使えるようにする予定も無いそうです。
ナイスパスを使えるのは遠鉄の運賃支払だけ
ナイスパスはICカードとして歴史は古く、国内でも最初期に誕生しました。
話題性はあったものの、運賃支払以外の用途がまったく無い状態での運用。
後にSuicaが誕生し、運賃だけでなく店舗の支払いにも使えるし、JR東日本は利用者も多いしで、あっという間に電子マネーのスタンダードになりました。
一方でナイスパイスは、遠州鉄道と遠鉄バスの運賃のみに使える、とてもガラパゴスなICカードになりました。
ナイスパスでお店の支払いはできません。
遠州鉄道と遠鉄バスの運賃支払のみです。
ちなみに、遠鉄グループには「EPiCA(エピカ)」という電子マネーもあります。
こちらは主にグループ店舗の支払いには利用できますけど、運賃で利用することができません。
……独自の電子マネーで支払いをしようとすると、カードが増えるばかりの現状……。いい加減になんとかテコ入れして欲しいところ。
クレジットカードのタッチ決済に対応したぞ!
2023年からは、遠鉄バスと遠州鉄道で、クレジットカード等のタッチ決済に対応をはじめました。
2024年には遠鉄バス全車両と遠鉄電車の全駅が対応済み。
クレジットカードはICチップがあるタッチ決済対応の物が必要になります。またスマホにICのタッチ決済機能があるなら、クレジットカードを登録しておけば、運賃支払いに使うことができます。
利用方法は簡単。乗車時と降車時に読み取り機にタッチするだけ。
これならクレカさえあればいいので、旅行者もいくらかわからない運賃で小銭を用意する必要がないし、電子マネーのデポジットに悩む必要もなくなります。
ようやくユニバーサルな支払いに対応してくれた感じがあります。
しまった、ナイスパスの利点がひとつもないぞ
そんなわけで、地元民特化すぎてバッドなんですけど……。
オートチャージ機能もなかなか━━。「えんてつクレジットカード限定」なので、浜松経済圏な遠鉄グループにどっぷり浸かる覚悟を決めた人向けです。
今はどうなったかわかりませんが、この遠鉄クレカにもランクがありましてね。
上位のカードを遠鉄百貨店で見せると、「うわマジで」みたいな反応をする店員さんも居ます。……いったいどういう理由かは想像に任せます。
ナイスパスの残高を知れるスマホアプリが便利
ナイスパスの残高は、タッチした時に表示される数字を覚えるか、バスターミナルと遠鉄電車の駅にある端末で確認することができます。
ICカードは反応が早いから、残高を確認する気も起きないんですよ。
でも後になって、「今いくら入ってるんだ?」と不安になることがあります。もちろん車内でもチャージはできますが、必要ないならやる理由もないじゃないですか。
そんな時に便利なスマホアプリがあります。
『nicepass Reader』はAndroid用。『電子マネーICカード残高確認』はiOSもあります。
スマホがICリーダーに対応している必要はあります。Suica系統のICカードに対応しているアプリは多いけど、ナイスパスに対応しているのはこの2つくらいなんですよね。
県西部民でナイスパスを使っている人は、インストールしておいて損はないですよ!
1,000円以上チャージでオマケもなくなり、さらに価値が崖っぷちに
ナイスパスは1,000円以上のチャージで1割ほどのオマケがありました。
それが昨今の運用コスト事情で廃止されてしまったため、とても残念ではありますが、ますますメリットがなくなりました。
ナイスパスの読み取り機をSuica系に対応させるのは、どのみち全交換になるので、これまた難しいらしい。……まぁここまで運用していると、引くに引けませんよね。
でも静岡中東部は、バスも電車もSuica系に対応しているんですよ。
タッチ決済に対応したのもつい最近なので、特に旅行者は県西部のバスを利用したい時に困っていたと思います。なにしろ地元の私ですら困ってたもの。
最後に:いつ払い戻しをするか
ナイスパスが使えなくなる未来は来ないかもしれない。
でも、使わなくなる未来はすぐそこかもしれない。
残高は払い戻しもできます。ナイスパスは払戻申請書を書いて、窓口に提出すればいいだけです。
今見たら500円ちょい残っているけど、支払いで残高ゼロピタリ賞を取るまで使うかもしれない。
コメントエリア