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MCPによるClaudeと外部アプリの連携:ObsidianとHugoの活用方法

さしし
著者
さしし
GenAIは友達さ
目次

MCPはClaudeを外部アプリケーションと接続するためのインターフェースです。この記事では、MCPの書き込み機能とObsidianの活用、さらにHugoとの連携について解説します。

MCPによる外部アプリへの書き込み
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MCPはClaudeと外部アプリケーションを双方向に接続する機能を持っています。これにより、外部アプリからデータを読み取るだけでなく、外部アプリにデータを書き込むことも可能です。Obsidianのような外部アプリとの連携では、ファイルの読み取りだけでなく、新規ファイルの作成、既存ファイルの更新、ファイルへの追記などの操作が実行できます。

CMSとの連携可能性
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ヘッドレスCMSやその他のCMSのデータベースに直接書き込むことは技術的には可能ですが、いくつかの条件があります:

  1. APIの存在: 対象のCMS(ContentfulやStrapi、Sanityなど)が適切なAPIを提供していること
  2. 認証とアクセス権限: MCPがCMSのAPIに対して適切な認証情報と書き込み権限を持つこと
  3. 専用コネクターの開発: MCPと特定のCMSを接続するための専用インターフェースの開発

しかし、セキュリティの観点からは、AIがデータベースに直接アクセスするよりも、専用のアプリケーション層を介した接続方式が望ましいと言えます。

セキュアな連携アプローチ
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現状で最も安全かつ確実なアプローチは以下のようなものです:

  1. 独立したCMSアプリケーション/インターフェースを構築
  2. MCPでそのアプリケーションと接続
  3. そのアプリケーションが適切な認証と権限管理を行った上で
  4. CMSやデータベースにデータを書き込む

このアプローチには以下のメリットがあります:

  • セキュリティの層分離: AIからデータベースへの直接アクセスを遮断
  • アクセス制御の明確化: アプリケーション層で詳細な権限管理が可能
  • 監査とログ記録: 中間層でのログ記録により操作の追跡が容易
  • 入力検証とサニタイズ: 悪意あるデータの挿入を防止

ObsidianとMCPの連携
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MCPを使用してObsidianのマークダウン(md)ファイルを直接編集することができます。具体的には以下の操作が可能です:

  1. 既存のmdファイルの内容を取得する
  2. 既存のmdファイルの内容を更新する
  3. 特定のセクションやヘッダーの下に内容を追加する
  4. 新しいmdファイルを作成する
  5. ファイルに内容を追記する

これらの操作は、MCPが提供する関数(get_vault_fileupdate_active_filecreate_vault_fileappend_to_vault_filepatch_vault_fileなど)を使って実行できます。

ObsidianをフロントエンドとしたCMS連携
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Obsidianをフロントエンドのインターフェースとして活用し、以下のようなワークフローを構築することが可能です:

  1. ObsidianでMCPを通じてClaudeが特定のマークダウンファイルを読み取り・編集
  2. Obsidianの中で特定のマークダウンファイルやフォーマットでコンテンツを作成・編集
  3. そのファイルを検知して、サーバーサイドのCMSやデータベースにアップロードするシステム

これは実質的に、Obsidianを「コンテンツ作成インターフェース」として使い、バックエンドシステムと連携させるアプローチです。

ObsidianとHugoの連携方法
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Hugoのリポジトリと別ドライブにあるObsidianの特定フォルダを同期するには、いくつかの方法があります:

1. シンボリックリンクを使用する方法
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Windows、macOS、Linuxすべてでシンボリックリンクを作成できます。

Windowsの場合:

mklink /D "C:\path\to\hugo\content\obsidian" "D:\path\to\obsidian\folder"

macOS/Linuxの場合:

ln -s /path/to/obsidian/folder /path/to/hugo/content/obsidian

2. 自動同期スクリプトを使用する方法
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定期的に実行されるスクリプトを作成して、ObsidianフォルダからHugoコンテンツディレクトリに必要なファイルをコピーします。

Pythonを使った例

import shutil
import os
from pathlib import Path
import time

source_dir = Path("D:/path/to/obsidian/folder")
destination_dir = Path("C:/path/to/hugo/content/obsidian")

def sync_folders():
    # 既存のdestinationフォルダを削除して再作成する
    if destination_dir.exists():
        shutil.rmtree(destination_dir)
    destination_dir.mkdir(exist_ok=True)

    # ファイルをコピー
    for file in source_dir.glob("**/*.md"):
        # オプション: ファイル名に基づいてフィルタリング
        # if "private" in file.name:
        #     continue

        relative_path = file.relative_to(source_dir)
        dest_file = destination_dir / relative_path
        dest_file.parent.mkdir(parents=True, exist_ok=True)
        shutil.copy2(file, dest_file)

    print(f"同期完了: {time.strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S')}")

# 初回同期
sync_folders()

# オプション: 継続的な監視と同期
# while True:
#     time.sleep(60)  # 1分ごとに確認
#     sync_folders()

3. ファイル同期ツールを使用する方法
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  • FreeFileSync: オープンソースの同期ツールで、スケジュール設定が可能
  • Syncthing: リアルタイムP2P同期ツール
  • rclone: コマンドラインベースの強力な同期ツール

4. Gitを使った同期
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Obsidianフォルダをgitリポジトリとして設定し、Hugoのコンテンツディレクトリをgit submoduleとして設定する方法もあります。

5. Obsidianプラグインの活用
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Obsidianには「Obsidian Git」のようなプラグインがあり、変更を自動的にコミットしてプッシュできます。これをGitHub Actionsなどと組み合わせて、リポジトリへの変更時にHugoサイトを自動的にビルド・デプロイする仕組みを構築できます。

まとめ
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MCPを活用することで、Claudeと外部アプリケーションを連携させ、コンテンツ作成や管理のワークフローを効率化することができます。特にObsidianをフロントエンドとして使用し、Hugoなどのサイトジェネレーターと組み合わせることで、AIを活用したコンテンツ管理システムを構築することが可能です。セキュリティを考慮しつつ、適切な連携方法を選択することが重要です。