はじめに #
料理における「常識」や「正しい作り方」について、SNSで議論が交わされることがよくあります。特に「味噌汁を煮立たせてはいけない」という話題は、料理好きの間でたびたび論争の種となっています。しかし、果たしてこうした料理の「常識」は、本当に実践的で意味のあるものなのでしょうか?
味噌汁論争から見える料理界隈の問題点 #
「煮立たせるな」という常識への疑問 #
料理界隈で面倒だと感じるのは、「常識」や「知識」だけで反論してくる人たちの存在です。最近も「味噌汁を煮立たせると風味が飛ぶから駄目!」という投稿をめぐって、ちょっとした論戦が繰り広げられていました。
確かに、味噌を入れてから沸騰させると味噌の風味が飛ぶというのは、料理における常識のようなものです。家庭科や料理教室では、まず間違いなく「煮立たせてはいけない」と教わります。
しかし実際のところ、味噌を入れてからぐつぐつ煮立たせた味噌汁と、正しく作った味噌汁を飲み比べた人がどれだけいるのでしょうか?
実践派の視点「別に煮立たせても死なない」 #
私は「別に煮立たせても死なないからいいじゃない」というタイプです。味噌を入れてからぐつぐつ煮立たせても、食べられないわけではありませんし、ちゃんと味もします。これで文句を言うなら、味噌煮込みうどんなんて食べられないのではないでしょうか。
料理で面倒な指摘をしてくる人は、知識だけは身につけているものの、それを実践して正しい方法と間違った方法を比較検証していない気がします。
家庭料理における効率性の重要さ #
時間との戦いが現実 #
特に家庭料理は毎日作るものですし、短い時間でいくつものレシピを並行処理したほうが効率的です。この時、無駄に凝った料理を組み込むと、他の作業が進みにくくなって全体の効率が悪くなります。
特に弱火でじっくり煮込むとか、漬け置き・粗熱処理など、時間を置く必要がある下ごしらえは、やったほうが良いけれど、やらなくても死にはしません。
下処理の効果は認めつつも… #
魚を3枚おろしにして、切り身に塩をかけて脂と水を抜いたものと、水洗いしただけのものでは、確かに味に違いは出ます。特に「臭み」が顕著に変わりますが、別に食べられないわけでもありません。
ただし魚料理においては、下処理が下手すぎると臭い料理になってしまうため、味覚が発達している最中の子供に悪影響を与える可能性もあります。この点は注意が必要でしょう。
料理初心者にありがちな「教科書通り」の落とし穴 #
レシピに縛られすぎる弊害 #
普段料理をしない人ほど、たまに作る時にレシピ本を見て「○分煮込む」といった指示を忠実に守り、長時間キッチンを占領しがちです。時間をかけて出来上がったものは大抵、「なんだ、こんなものか」という完成品になることも少なくありません。
作る当人は満足げであっても、長時間待たされて料理を出される側は、その努力を無駄だと感じてしまい、意識の差が生まれて分かり合えない状態になってしまいます。
プロとの差を理解することの大切さ #
プロ並みの調理器具を揃えて、時間を投資して作った料理も、専門店と比べれば……ということを考えなければなりません。料理は知識も必要ですが、経験さえあればなんとでもなるものです。
そういった「凝った料理」しかしない・できない人は、非常時にどんな料理を作るのか、少し気になります。
家庭料理の本質とは #
土井先生の教えに学ぶ #
家庭料理は手軽に、縛られずに作ればよいのです。料理研究家の土井善晴先生も、そんなマインドを持っています。完璧を求めすぎず、日々の暮らしに寄り添った料理こそが家庭料理の本質なのです。
シンプルな調理でも十分美味しい #
別に塩コショウをしなくても野菜炒めは作れますし、適切な加熱処理をすれば美味しく仕上がります。料理は知識も大切ですが、それ以上に経験と柔軟性が重要なのではないでしょうか。
【まとめ】料理は知識より経験、完璧より継続
料理における「常識」や「正しい作り方」は確かに存在しますが、それに縛られすぎる必要はありません。特に毎日の家庭料理においては、効率性と継続性こそが最も重要な要素です。完璧な料理を時々作るよりも、多少手抜きでも毎日作り続けることの方が、結果的に料理スキルの向上につながるのです。