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「わからなければ人に聞け」が生成AIに取られるかも?

さしし
著者
さしし
GenAIは友達さ
目次

ビジネスシーンにおける効率的な情報収集と学習方法は常に課題にある。

特に新入社員にとって、「わからないことは聞く」という基本行動と、「過度に質問して先輩の時間を奪わない」というバランスの取り方は難しい。

でも今なら「生成AIに任せればいいんじゃない?」と思った。

わからなければ人に聞けは古い、か?
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よく新入社員にかける言葉に「わからなければ人に聞け」がある。よく考えれば当たり前の話で、もっとも最短で解決に繋がる行動だと思う。

しかし、聞きすぎるのも相手の時間を奪うからよくない━━とも。それに、毎回同じような質問をしていては、「こいつ覚える気がないじゃないか」と評価を落とされやすいし、人の信頼を得るのが難しかったりする。

でも今なら生成AIに質問できるじゃあないですか。

あらゆる質問に対して普遍的な答えを返してくれるし、毎回同じ質問をしても怒られないし、ググるよりも情報は早く確実に返ってくるメリットがある。

生成AIに頼りすぎるデメリットは?
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デメリットもある。

企業だったり学校で独自の問題に答えるのは難しい。平均的な答えはあるものの、組織独自が持つデータをもとにしている問題は、ウェブサイトなり論文からデータを集めたLLMにとって「判断材料のひとつ」にすぎないから、正確な答えは難しい。

さらにこの問題を解決するなら、企業が独自にLLMを実装して、在籍している人が思いつく限りの問題点を学習させて、オンリーワンなエージェントAIを作り出すこと。ローカルLLMを一般人が使用できる世の中になっているので、やろうと思えばどの企業も専用AIを導入可能にはなっている。

もし企業内に専用AIがあるなら、些細な質問でもどんどんチャットBOTに投げかければいいし、育成面で先輩の時間を奪いすぎることもなくなる。答えがない質問が来れば「鋭い!」と思うし、新しくパイセンが学習させたらいい。AIが答えられなかった質問を探した人には報酬を与えるなどすれば、実のあるデータが早く集まるかもしれない。

この仕組みが実現すれば、個人的には人に時間を奪われたり、相手に気を使うこともないし、いつでも自由に質問できるので便利だと思う。でも反対する人も多いかもしれない。

人に頼られたいパイセンには生きづらくなるかも
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人によっては、「聞いてくれる=頼られる」ことに悦を感じて生きがいレベルな人もいるだろう。そのような考えの人にとって、これからの世の中は生きづらくなるかもしれない。

質問だけして答えを知りたいだけなのに、ムダな雑談に巻き込まれて時間を浪費するよりも、AIに速いレスポンスをしてもらうほうがタイムコスパはいい。

でも、そこを理解できない人もいるとは覚えておいてほしい。

むしろそういった人とは普通に会話をしながら音声録音して、学習データにぶちこむほうが手っ取り早いかもしれない。

これらを楽にできるのがNotebookLMてこと
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NotebookLMはGoogleの生成AI。

NotebookLM を解説!情報整理をAIで簡単にしよう|Gemini - Google の AI

特徴的なのは、こちらが入力したデータは大本のLLMに学習させないこと。秘匿ファイルだったり恥ずかしい思い出を記録させても、他の人がそれを参照することはないタイプ。無料でも使えるし、課金すればより多くのデータを扱える。

これは個人だったり、AIエージェントの導入費用なんてないよぅ……な中小でも簡単に使えるからおすすめ。資料はカメラでとって画像をぽいぽい投げればOCRで文字認識してくれるし、動画なり音声ファイルも文字起こししてくれる。

そうやってデータを蓄積していくことで、組織独自のLLMとして活躍してくれるわけだが、そこまでやる労力と時間はそれなりに必要。もっとも安く済ませたいなら、最善の方法だと思う。

ローカルLLMが動く高性能GPU搭載の15万円以上くらいからPCを選ぶことになるが、SaaSエンジニアに依頼して、外部API処理する従量課金制にされて死ぬほど金がかかるサービスにされるより、はるかに安い。

金がある企業ならAWSのBedrock
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金があるなら、AWSのBedrockが企業独自AIの基盤によく選ばれるし、性能とサーバーサービスの安定性も保証されているので強い。なにより先行例が多いから導入ノウハウも落ちている。

基盤モデルによる生成 AI アプリケーションの構築 - Amazon Bedrock - AWS

この導入に関しては、SAPPOROが直近でインパクトがあった。

サッポログループ独自の生成AIツール「SAPPORO AI-Stick」の導入を開始|新着情報|サッポロホールディングス

同じことを経理でヒィヒィいってる企業がすると、即効性のある毒みたいになるし、AIを効率化にできる方向性が定まっていないと意味がない。先にいったように、質問に答えを返す「Q&A集」みたいな使い方だと、NotebookLMに新入社員向けの資料を記録させたほうが安上がり。

企業AIを採用するなら、支社が分散しているグループ企業で経理を一括管理するとか、営業データなり日報月報を分析しつつ戦略までさせるなど、全国規模の事務処理を行わせるのが有効かと思う。

【まとめ】:AIに質問できるスキルも必要に?
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生成AIは「聞くことへの心理的ハードル」を下げ、学習効率を高める可能性を秘めている。

企業独自のデータで訓練された専用AIは、組織特有の課題解決をサポートし、先輩社員の負担軽減にも繋がるはず。一方で、人間関係や教育の本質的な価値を見直す機会にもなりそう。

企業文化や個人の価値観に合わせた、AIと人間のベストバランスを模索する時代が始まっているかもしれない。